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永遠にシンプルに憧れるマキシマリストのアラフォー。そろそろ無理だということに気づいてそれでも前を向いて歩いていくのです。 そんな日々のアレコレ。

早く家へ帰りたい/高階杞一/夏葉社 読みやすく、何度も読み返したい詩集【レビュー・感想】


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今回は久しぶりに書評、というか本のレビュー・感想です。

先日UPした、2019年に購入した本の記事でもサラっと紹介したこちらの本を今回は記事にします!

早く家へ帰りたい/高階杞一/夏葉社

早く家へ帰りたい

早く家へ帰りたい

 

なんと(?)今回は詩集。

僕は詩に関しては普段そこまで嗜むわけでもなく、ほぼ無知みたいなものですが、この詩集はちょっと最近の気分にもピタッとハマって、僕の琴線を触れまくりだったのでご紹介します。

高階杞一さん?

恥ずかしながら、僕は作者である高階さんのことは存じていませんでした。

高階さんは1951年生まれで、2019年現在で67歳の詩人です。ウィキペディア等を拝見する限りだとまだ現役で作品を作っており、今月(2019年5月)も別の方との共著で詩集を出版しています。

本もコンスタントに出版しているようなので、詩に詳しい方なら当然知ってるような詩人さんなのでしょうか。

ご本人のHPやブログもあるのでよろしければ覗いてみてください。

高階杞一

高階杞一「日々のあれこれ」

高階さんについて深掘りし過ぎるのは今回の主題とズレるので、この辺りで。

早く家へ帰りたい

①概要

そして、本題の詩集のご紹介です。

まず概要を出版元である、夏葉社さんのHPから。

愛する子どもが、重い障害をもって生まれてきた日。そして、その永眠のときまで。
一冊の本のなかに、子どもの命がみずみずしく描かれた、感動的な詩集。
一九九五年に偕成社から刊行されていたものを復刊。

引用-早く家へ帰りたい | 夏葉社

4歳を目前にして急逝してしまった、幼い我が子のことを綴った詩集です。

新装版の帯の「愛するこども」っていうのがまた……。

この本、元々は1995年に偕成社から刊行されていた本を、夏葉社さんが2013年に復刊させたものです。

ちなみにAmazonだと表紙がピンクですが、2019年の1月に新装版として表紙が白いタイプが出版されました。

www.lookforlife.jp

②内容について

全部で19個の詩が収録されているこの詩集。

発表は1991年から1995年と幅はあるものの、全て息子である雄介さんのことを綴っています。

雄介さんは1994年に亡くなってしまっているので、後半の詩は、亡くなってから制作している詩になります。

詩の前置き(?)に「4度目の手術の前に」があったりと、「腸に障害を持って生まれて来た子供を持つ親」という環境もあってか、収録されている詩たちは、どこか悲しみを、そしてそれを超える愛情を持って表現されています。

③感想・レビュー

まず、高階さんのHPから1つ詩を引用します。

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引用-「早く家へ帰りたい」収録作品抄

こちらは「ゆーぴー おうち」という、息子の雄介さんが亡くなってからすぐに作られた詩です。

僕は普段詩を嗜むのはほぼない素人ですので、この詩の表現がどれほどもモノか、ということを詩の技術的な観点からは語れないのですが、僕のような素人でも非常に読み易く、ですが、詩らしく、多くを語らずに表現する部分もあり、そしてどこか爽やかなようであり、やはり悲しみに包まれている感じがします。

すごく抽象的な感想ですが。

他の詩も同じように、というと語弊があるかもしれませんが、とっつき易く全て読むのに人によっては、15分ほどで読み終わってしまうのではないでしょうか。

ですが、何度でも読みたくなる本です。

もちろん僕は、障害を持って生まれた子供を、4歳を目前に亡くすという状況を完全に共感できるわけではないのですが、子を持つ親として、愛すべきものがある市井のひとりとして、大いに感化されるものはありました。

収録されている他の詩では「パパのまま」や、やっぱり表題の「早く家へ帰りたい」が好きですかね。いや、どれもとても良いですが。

詩集を購入するということ

今回は詩集のご紹介なのですが、みなさんは詩集って購入したことあるでしょうか?

この記事を読んでいる方は「早く家へ帰りたい」や「高階杞一」で検索をかけたりしているかもしれないので、詩が元々好きな方も多いかもしれません。

万が一の確率で僕のファンで、毎回記事を読んでいるという方もいるかもしれません。(笑)それはそれで嬉しいですが。

まあ、この記事をクリックしているということは、少なくとも本には興味がある、ということにしましょうか。

書店に行って詩集ってどのくらいの割合を占めているか、想像してみてください。

もちろん書店の規模によっても違うと思いますが、所謂ショッピングモールにある書店だと、だいたいあっても俳句・短歌・詩で合わせて一棚、という感じだと思います。(あくまで僕の感覚ですが。)

詩等の棚が一棚もない店舗も多いのではないでしょうか。セレクト系の書店はまた別として。

そう考えると、そもそも詩集と出会う機会がかなり少ないように思います。

書店に一棚分、俳句・短歌・詩の棚があったとしても、そこに果たしてこの「早く家へ帰りたい」があるのかどうか。

詩だけにフォーカスしても、古今東西、海外まで含めると、名作と言われる作品がたくさんあります。

新刊も並べて、古い名作も並べて、となると書店の、その棚に並ぶということだけでも、かなりのハードルの高さ。

まあ、これは詩集に限らず本全般に言えることだと思いますが。(文芸書なんかはもっと競争が激しいかもしれません。)

僕は普段からそれなりに(あくまでそれなりにですが)アンテナを張ってるので、普通の方よりかは出会う機会は多いと思います。

しかし、そうではない方はこの本に出会わず(出会えず)に日々を過ごしていくことになります。

この記事少しでも、この詩集に、他の詩集に、世の中の数多ある本に、出会うきっかけになれば良いと思います。

広く届けば良いのですが

そんな感じで、今回は結構真面目に広く届かせたい、と思って記事を書きました。

ですが、前述したようにこの記事を読んでいる方の多くは、本好き、詩好きだと思います。

例えば、普段本を読まない、けどこの本を読んでくれそうな、そうですね、子育て中の方などに届かせようと思ったら結構難しい……。

それこそ例えば、子供服を売ってるお店などで販売して読んでもらうとか、子供が集まるイベントで販売するとか、そういったことが必要になる気がします。

ちょっと乱暴な言い方をするならば、本が好きな方は勝手に良本にたどり着くと思うので。

そうでない方にどう届けるか。

それを考えると、このブログだと足りないよなあ……いや、普通にアクセス数とかも全然足りませんが。(笑)

と、スケールの大きいことまで考え出した次第です。

 

まあ、いろいろ言ってても現段階ではしょうがないので、今はこの記事を読んでいる方に届けば良いかな。

皆さん、是非一読してみてくださいね。

それでは!

早く家へ帰りたい

早く家へ帰りたい